県は4日、県公営競技事務所(和歌山競輪場内)の男性副主査(31)が出張旅費に関する架空の公文書を作成し、昨年5月からことし1月までの間、7件分旅費計38万2612円を着服したと発表した。副主査は着服を認めており現在、自宅待機中。すでに着服金は返金され、事務所で保管されている。県監察査察課が別件の着服や処分について調査検討している。
県によると、副主査は平成22年4月から同事務所総務課で勤務。旅費の事務処理などを担当していた。問題が発覚したのは先月24日。県とともに競輪場を運営する専門家組織「県公営競技主催者協議会」(県が人件費を負担)の女性職員が、出張費の前払いを受けていなかったため、休暇中だった副主査の机から関係書類を探していたところ、覚えがない出張費支給の領収証があり不正が分かった。
副主査は出張旅費の支払いが、県職員は各自の口座への振り込みだったのに対し、協議会職員は現金払いだっため、これを悪用。県職員の出張に、協議会職員も付き添うようにみせた申請書を偽造していたという。1件につき4万920円~8万6052円を不正に申請していた。また1件は、同所長が出張をとりやめたため返金した5万1380円を出張したように見せ掛けて処理し、着服した。着服金は、趣味の音楽機器購入などに使っていたという。また、借金が320万円ほどあったことが分かっている。
県は、今回の問題を受けて、旅費の支給を県職員と同じく協議会職員個人の口座に振り込むように対策を取る方針。会見には、藤本陽司商工観光労働部長と松下博行県公営競技事務所長が出席し、チェック体制に不備があったことを認め、謝罪した。