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リヤカーで全国行脚 田中克成さん来和

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 一冊の本『道に迷う若者へ』(高取宗茂著)を作るために出版社を立ち上げ、世に広めるためにリヤカーを引いて全国行脚を続ける、㈱立志出版社・代表取締役社長の田中克成さん(36)が22日から25日、和歌山県に滞在した。昨年10月19日に東京・新橋を出発し、和歌山で47都道府県の9つ目。重さ120㌔ほどのリヤカーを引いて、約700㌔の道のりを歩いてきた。

 田中さんは長崎県出身で、出版プロデューサーとして東京で活動している。

 この本の著者・高取宗茂さん(42)とはおととしの9月に出会った。高取さんは九州五大財閥の名家生まれ。18歳で屋台を引き始め、現在は飲食業を中心に多店舗を展開する実業家だ。

 高取さんの半生に感銘を受けた田中さんは、高取さんが書いた記事を読み、強く、厳しい言葉の奥から伝わる優しさ、愛情を感じ、涙があふれたという。「ぜひこれを本にしたい」と思い、3カ月かけて本の執筆を依頼した。

 完成した本は、まさに田中さんが若者に伝えたい内容がびっしり詰まった一冊となった。しかしメッセージ性が強く、どの出版社にも受け入れられなかったという。

 そこで、田中さんは自ら出版社を立ち上げ。「まずはこの本を世の中に知ってもらいたい」という思いで、リヤカー行脚を決意した。

 出会った人に泊めてもらったり、公園でテントを張って寝泊まりすることも。本を買い、読んでくれた若者から、フェイスブックなどを通して感想が届く。「伝えたかったことが伝わっていると実感でき、一番うれしい瞬間。リヤカーを引いてて良かったと思える」と話す。これまでに3600冊を販売した。「手売りで5万部。3年以内に100万部売る!」。この一冊に懸ける思いは強い。

 「一人でも多くの人にこの本を届けることが私の使命」と話す田中さん。「諦めたくない、努力しよう、という気持ちを諦めないでほしい。また、自分の行動を通して、諦めなければ何でもできると証明したい」と力強く語った。

 本は1冊740円。問い合わせは田中さん(℡080・6911・1019)または「MAKETHE ROAD WEB SITE」(http://mtr47.jp/)のお問い合わせフォームから。


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