太地町で行われているイルカ漁について、キャロライン・ケネディ駐日米国大使が短文投稿サイトのツイッターで「非人道性」を懸念するとして反対を表明したことに対し、仁坂吉伸知事は21日の定例会見で「われわれは生き物の命を奪って生きている。それがけしからんといわれたら、生きていけない。(牛や豚などの)屠殺場には目をつむって、クジラやイルカを殺すところだけを残虐というのは論理的でない」などと反論した。
ケネディ大使は18日、「米国政府はイルカの追い込み漁に反対します。イルカが殺される追い込み漁の非人道性について深く懸念しています」と、日本語と英語で投稿した。
仁坂知事は米国について「大船団でクジラを捕りまくっていた国。現在も米国民の一部は地域的に捕鯨を認められ、国際的な規制対象鯨種すら捕っている」と指摘し、「太地で捕っているのは規制対象種でもない」と強調。「食文化はそれぞれ違う。相手の立場を認めようというのが文明の知恵だと思う」と話した。
さらに、和歌山では「命をもらったクジラやイルカを祭り、あらゆる部位を利用して、自然の恵みに感謝する文化を続けてきた」とし、「そういうことを全体としてよく理解してほしいが、米国は捕鯨に反対であり、外交官であるケネディ大使は反対といわざるを得ないのだろう」と述べた。