平成7年に発生した阪神淡路大震災から17日で丸19年を迎える。「防災とボランティア週間」(15~21日)に合わせ和歌山市消防局西消防署(馬場克章署長)=同市狐島=は16日朝、署内訓練場で厳しい被災地活動をイメージした野外の活動拠点構築や24時間野営の訓練を開始した。
訓練では同日朝から翌朝まで、一部の職員を除き、通常業務を全て庁舎外で実施。エアーテントなどを設営し、簡易ベッドや寝袋、寒さをしのぐ毛布を持ち込み一日を過ごす。食事もアルファ米やカップラーメン、パンなどの非常食を食べるなど、炊き出しの手順も確認した。
その他、多数の傷病者発生に対応するトリアージ訓練、倒壊建物からの救出訓練などを行い災害に備え、隊員らの士気を高めた。2年目の鬼木康佑消防士(26)は「厳しい環境の現場でも、災害に遭われた人の人生を取り戻すため、使命感を持って活動したい」と話した。
阪神淡路大震災の発生当時、同消防も被災地救援に向けて出発したが、過去に経験のない大震災対応に、少しの食料しか持たず現地入り。災害現場では、食料確保の困難さやトイレ不足など、生活面の不備が露呈したという。
その教訓から、災害現場での活動は自給自足が鉄則になり、23年の東日本大震災やおととしの紀伊半島大水害などでは、非常食の活用や隊員らの連携により、現地で生活物資を調達しなくても活動できる体制が整えられている。