補修工事を行っている和歌山市福町と十二番丁を結ぶ中橋について、市は、工事終了まで全面通行止めとしていた方針を変更し、26日夕刻(雨天等で延期の場合あり)から仮歩道で歩行者が通行できるようにする。周辺の商店主らの要望を受けて決めた。
中橋は東西に流れる市堀川に架かり、中心市街地の南北を結ぶ要所の一つ。工事で通行止めとなった3月23日以降、迂回(うかい)によって人と交通の流れが変わり、周辺の飲食店や商店から客足が大きく減るなどの影響を訴える声が上がり、市に対策を求めていた。
市は3月初旬に地元自治会に工事の説明を行い、近隣にお知らせのチラシを配布したが、飲食店経営の男性(44)は「事業者に詳しい説明はなく、商売への影響をちゃんと考えたのかと思う。工事以降、売上は3割ほど落ちている」と市の当初の対応への批判を口にした。
こうした声を受け市は対策を検討。全工事終了まで通行止めとの方針を改め、4月26日に車道部分の一部を仮歩道とする工事を行い、同日中に完了させる。本来の歩道橋の工事も前倒しし、5月21日に開通する予定。車道を含めた工事全体の終了は6月中旬となる見通し。いずれも雨天等の影響で延期の可能性はあるとしている。
市道路管理課は「人の流れが少しでも戻るようにしたい。もうしばらくご迷惑をかけるが、協力をお願いしたい」と話している。
工事の予定変更を受け、事業者らは、人の流れを再び中橋周辺に呼び戻そうと動き始めている。
商店経営の男性(51)は「一度こなくなった人は簡単には戻ってくれない。中橋が通れるようになることをいかに知らせ、通りやすい環境にするかが大事だ」と話す。仮歩道に花を飾るなどのアイデアが出ており、実際に何ができるか、市とも話し合いを続けていく。