「女性医師・研修医・医学生をサポートするための会」(県医師会主催)が和歌山市の日赤和歌山医療センターで開かれ、国際医療福祉大学副学長の桃井眞里子さんが「より良い医療のために、あなたの未来のために」と題して講演。少子高齢化が進む日本で、国力の維持と発展には社会での女性の活用以外にないとし、「プロフェッショナルな女性をいかに育てるか。それには女性が仕事を継続できる多様な働き方を支援する社会が必要。日本は今、大きな変革期にきている」と問題を投げ掛けた。
桃井さんは、日本と外国の働く男女の仕事、家事、育児などの生活時間配分をデータで示し、日本は家庭で家事全般を任されている女性の役割、長時間労働となっている男性の働き方が変わらないと少子化も女性の活用も改善しないと指摘。
さらに、日本では国民一人当たりの医療費が世界の平均より少なく、受診件数が多い一方で、医療を支える医師の数が少ない医療の現状を伝え、女性医師がキャリアを積み、継続して活躍できる支援体制の必要性を説いた。
その上で、職業に何を求めているか不確実▽周囲の自分への評価が気になる――など、キャリア形成が難しい医師の問題点を挙げ、「自分はその集団の中で何に貢献できるか明確にする。他人からどう見られるか気にせず、自分の働き方をしっかりする」とアドバイス。管理職側の役割として「本人が気付かない能力を見いだし、何を期待しているか具体的に言葉で伝え、若い優秀な人材を育てていくことが必要」と話した。
講演会には、医師や研修医ら医療関係者約100人が参加。日本赤十字社和歌山医療センター、日本医師会が共催した。