虚偽の事実を世間に広め親族の会社や役員の信用を傷付けたとして、和歌山西署は25日、和歌山市塩屋の飲食店経営、松田尚憲容疑者(59)を信用毀損(きそん)容疑で逮捕した。
同署によると、松田容疑者は、ことし2月から5月中旬ごろの間、市内の地方新聞2社(個人経営)に虚偽の情報を提供して記事にさせ、市内で産廃処理業を営む会社と役員の信用を傷付けた疑い。記事には、匿名で「現役員の指示で焼却処分するとダイオキシンが発生する極めて毒性の強いコプラナーPCB入りのトランスオイルが入った200㍑入りのドラム缶70から80本を敷地内に埋めて不法投棄した」などの告発内容を掲載。県や市にも情報を提供した。
3月19日に会社側の弁護士を通じて同署に相談があった。4月に同署や県、市などの担当者立ち会いの下、指摘された場所で10㍍のボーリング調査を実施したが、有害物質は検出されなかったという。松田容疑者は「オイルを埋めたことを告白したことは間違いないが、実際にあった話です」と容疑を否認しているという。
同署は、松田容疑者が遺産相続などをめぐり、独立資金の未払い分など約2億円の金銭要求を役員に拒絶されたことに腹を立て犯行に及んだとみて調べを進めている。