県立医科大学(和歌山市紀三井寺)は18日、大学院保健看護学研究科に来年4月から、がん看護の専門知識や技術を学ぶ専門看護師コースを開講すると発表した。現在認定申請中で、認められれば県内初の専門看護師教育課程となる。同研究科の山田和子科長は「和歌山は専門看護師が少なく、人材を育成していきたい」と話している。
医大で記者発表した山田科長によると、特定分野の専門知識や技術を深めた専門看護師は、日本看護協会が認定している資格で、がん、精神、慢性疾患など11分野がある。同協会の今月現在のまとめで、専門看護師教育機関は全国に228カ所だが県内はゼロ。専門看護師数は全国1044人に対し、県内は5人(うちがん看護1人)にとどまっている。
医大は新コース開講により、県内でがん看護専門看護師の受験資格を取得できるようにし、県内のがん医療・看護の質向上を目指す。新コースは同研究科博士前期課程(修士課程)に設置し、研究科の定員12人のうち2人を当てる。
専門看護師になるには、専門課程の単位取得に加え、5年以上の看護実務経験(うち3年以上が専門分野の実務)が必要とされ、新コースの出願資格には、3年以上の実務経験を盛り込む。
医大は7月に日本看護系大学協議会に新コースの認定申請を行っており、来年2月ごろに認可される見通し。学生募集の日程は、今月24~26日に出願資格審査、10月21~23日に出願、11月9日に試験となっている。
山田科長は「がん死亡率の高い和歌山県において、がん対策、看護の質の一層の向上を図りたい」と話している。