和歌山市西高松の県立図書館内「メディア・アート・ホール」に今月、県民から匿名で米スタインウェイ・アンド・サンズ社の高級グランドピアノ「スタインウェイ モデルD」(1978年製フル・コンサート・ピアノ)が寄贈される。9日にホールに搬入され、10日には試奏会が開かれる。
「プロの演奏家の質の高い演奏の機会を増やすために、プロ向きのピアノを無償で使ってほしい」と本年度に入り、同館内、文化情報センターに匿名で申し出があった。
同センターによると、現在使っているピアノは寄贈されるピアノより小さく、プロの演奏の魅力を十分に引き出せていなかった。
同ホールでは、ことしから夜間にイベントが開催できるようになった他、1000円以上のチケットの販売が可能に。また同ホールの活性化を目指して、7月から音楽や芸能の有識者に外部コーディネーターを委嘱し、さまざまなイベントが企画されていることから、プロの演奏家によるコンサートを開く機会も増えているという。
谷口義彦センター長(53)は寄贈に感謝し、音響問題の解消に期待している。
10日の試奏会は午後1時から2時まで。同市出身のピアニスト、宮下直子さんが3曲披露する。宮下さんは毎年、同ホールで定期演奏会を開いており、「ホールの質が向上するのはすごくうれしいこと。日本中が注目するホールになれば」と話している。 問い合わせは同センター(℡073・436・9530)まで。