行政、企業、NPOなど、多様な団体が集まり地域の課題解決や振興について話し合う、初の「きのくに『円座(わろうだ)』フォーラム2013」(県主催)が25日、和歌山市内のホテルで開かれた。県の「新しい公共支援事業」の一環。パネルディスカッションや、各種団体による取り組み報告を通して、約300人が情報交換、交流した。
人のニーズや価値観の多様化に伴い、さまざまな地域課題に各種団体が単独で対応することが難しくなっていることから、各団体がつながる場づくりを広めることが目的。「円座」は、熊野の神々が集まり談笑したとされる熊野古道の「わろうだ石」にちなんだ。
県の山崎良彦・県民局長は「これからの地域づくりには自助、公助、そして共に助け合う共助のバランスがとれた連携が必要」とあいさつ。パネルディスカッション「みんなの『力』による『地元づくり』」では、和歌山大学経済学部の足立基浩教授をコーディネーターに、県教委共育コミュニティ推進室の雑賀敏浩室長、菱岡工業㈱の岡田亜紀代表取締役、紀の川市商工会の高田亮平会長、県NPOサポートセンターの志場久起副理事長がパネリストを務めた。
岡田代表は幼稚園教諭から経営者に転身し、障害者の就労支援を行うNPO法人を設立したことを踏まえて意見。地域づくりのキーワードを「打つ手は無限」とし、「これまで多くの方に支えられてきた。助け合うことが大切。可能性は無限に広がる」と語った。高田会長は11団体による和歌山電鐵貴志川線の活性化に向けた取り組みの状況を説明し、「各団体で意見が違う時もあるが、思いは同じ」と話した。
この後、まちづくり▽地域振興▽観光▽防災▽地域コミュニティー▽福祉関係――の14団体による取り組み報告と、交流タイムがあった。 県では、今後も「円座」を通じて情報共有・交流の機会などの提供を行うとしている。