産地を偽装したウナギの蒲焼きなどを販売したとして、和歌山市は12日、同市中之島の水産物加工・販売業、和歌山淡水㈱に対し、JAS法などに基づく是正指示を行った。
市農林水産課によると、同社は少なくともことし1月から6月10日までに、中国や台湾、鹿児島、宮崎などが原産地のウナギで製造した蒲焼きや白焼き13万5386尾を「愛知県産」と表示を偽装して市内の小売店に販売していた。
市は、サンプル調査を行った農林水産省からの情報提供を基に、国・県と共同で6、7月に8回の立ち入り調査を行い、偽装を確認。適正な表示への是正、原因の究明・分析、再発防止策の実施などを指示した。
調査に対し同社の社長は、昨年5月ごろから小売店が求める数の愛知県産がそろわない時に、他産地の品質の良いものを偽装して使ったと説明したという。同社は6月29日から営業を自粛している。
また、同社の関連会社でウナギの加工品を県内外に販売している㈱天将(同市中之島)も12日、偽装表示を知りながら和歌山淡水からウナギ882尾を仕入れ、販売したとして、近畿農政局から是正指示を受けた。
オークワは返金対応 偽装表示の発覚を受け、和歌山淡水から仕入れたウナギの蒲焼きを販売していた㈱オークワは、13日から該当商品の返金対応を行う。対象は1月1日~6月29日に全173店で販売した「魚屋の鰻蒲焼・愛知県産」6万2000本。レシートなどで購入を確認し、返金する。