公益財団法人大桑教育文化振興財団の本年度の大桑文化奨励賞に、現代音楽の作曲家でピアニストの成本理香さん(46)=和歌山市出身・金沢市在住=、洋画家の土井久幸さん(39)=和歌山市=が選ばれた。文化活動援助には、和歌山サローネ実行委員会(同市)、童謡を歌う集い実行委員会(海南市)、県指定無形民俗文化財保持団体援助には、田辺祭保存会(田辺市)、那智の扇祭り保存会(那智勝浦町)が選ばれた。
文化奨励賞に選ばれた成本さんは愛知県立芸術大学卒業、同大学院博士課程修了。金城学院大学、金沢大学、愛知県立芸術大学などで音楽学科講師を務めている。
日本の古典楽曲を取り入れた独自の作曲で、これまで70曲余りを発表。ことしのアメリカでのアイアン・コンポーザー・コンクールで3位入賞など、特にアメリカで高い評価を受ける。
演奏家としても、愛知県を中心に和歌山や東京、アメリカやフィンランドで精力的にコンサートを開き、各地での講演会、CDリリース、楽譜出版、論文発表など、幅広く多彩に活躍している。
土井さんは和歌山市立和歌山商業高校(現市立和歌山高校)を卒業後、会社勤務を経てDoi絵画教室を開講。日本美術家連盟会員、独立美術協会準会員。
平成22年からフランスを旅し、郊外を描いた風景作品を国内外で発表。多くの人になじみのあるパステルクレヨンで描く「情景画」という独自の描写などが高く評価され、平成24年度に和歌山市文化奨励賞、ことし絵画界の直木賞ともいわれる「昭和会賞」を受賞。文化庁の文化大使として小学校でも指導し、若手作家に作品発表の場を提供する取り組みや、美術教育に力を注いでいる。
表彰式と各援助目録の贈呈式は11月17日午前10時から、和歌山市のホテルアバローム紀の国で行われる。
同財団は㈱オークワの創立者・大桑勇が平成5年に設立。毎年、大学生への奨学金給付や高校スポーツ選手奨学金、市町村対抗ジュニア駅伝競走大会援助、学校図書の寄贈など、文化やスポーツ、教育活動の向上や振興に援助を行っている。
先日開催された紀の国わかやま国体には協賛金として2000万円を寄付。本年度の援助額は3194万円に上る。