県立医科大学(和歌山市紀三井寺、岡村吉隆学長)は20日、医学発展のために献体した故人に感謝する「第67回篤志解剖体慰霊祭」を同大講堂で行った。
同大では毎年約40~70体の解剖を行っており、医学部、保健看護学部の学生、遺族ら約430人が出席した。ことしは新たに46柱を祭り、昭和23年以来4623柱になった。
黙とうの後、岡村学長は「人類の幸福と繁栄のために自らそのご尊体をささげられた。資質の高い人材を育成し、健康福祉の向上に寄与することをあらためて誓う」と祭文をささげた。
学生を代表し、医学部3年生の兼久亮さんが「初めて人体にメスを入れた時の記憶を私たちは生涯忘れることはない」と慰霊の辞。出席者は祭壇に献花し、手を合わせて故人をしのんだ。