紀の国わかやま国体の自転車は1日、5日間の競技が全て終了し、県チームは総得点102点で総合優勝を果たした。2位の岐阜県に39点の大差をつけ、昨年の長崎国体に続く2年連続優勝。会場となった和歌山市五筋目の和歌山競輪場は歓喜に包まれた。
初日のロード・レースでの窪木一茂(26)=県教育庁=の優勝を皮切りに、県メンバーはトラックを含め5種目で優勝、個人種目で大会新記録を樹立するなど、連日の快進撃が続いた。
良いムードの中で最終日を迎え、この日のレースでは、少年男子4㌔速度競走で永橋湧也(17)=和歌山北高3年=が2位、成年男子ポイント・レース(30㌔)で窪木が5位、成年男子ケイリンで岡本隼(20)=日本大、和歌山北高卒=が5位に入った。
2位の永橋は「緊張感で呼吸ができなくなるほどだったが、地元の声援に背中を押された。高校に入学してから、この日のために頑張ってきたので、何としても総合優勝に向けて、1点でも得点に貢献したかった」と振り返った。
総合表彰式で県チームの歓喜と興奮は最高潮に。選手たちは少年男子の上野孝監督(55)=和歌山北高教員=らを胴上げするなどして喜び合った。
上野監督は「タイムや順位、得点など、あらゆる面で、これまでの国体にない記録を残したい、和歌山のチームにしかできないことを全面に出したいと思った」と話し「地元国体で監督を務め上げられるのは、そうないこと。選手たちには『ありがとう』のひとこと。入賞した選手も、そうでない選手も、全員に1等賞をあげたい」とメンバーをたたえた。
県メンバーをけん引してきた窪木は「1人で戦ってきたわけではなく、仲間と一緒だから達成できたこと。これまで積み上げてきたものがあり、自信を持って走れた。支えてくれた方々や仲間、地元の皆さんの力強い応援に感謝です」と感慨深げだった。