紀の国わかやま国体のテニスは最終4日目の9月30日、和歌山市のつつじが丘テニスコートで成年男子・女子、少年男子・女子の決勝と順位決定戦が行われ、成年男子決勝では県勢が岡山を2―0で下し、昨年の長崎国体に続き念願の2連覇を達成した。
県勢は奥大賢(ひろまさ、26)、長尾克己(かつき、26)ペア=ともに紀洋石油=。2人は1回戦で千葉、2回戦で静岡、3回戦で鹿児島、準決勝で京都と対戦し、静岡と2―1となった他は全て2―0のストレート勝ちで決勝進出。決勝は駆け付けた多くの県民の大声援が飛び交うなかシングルスが行われ、奥が9―7、長尾が8―6でそれぞれ岡山の選手を破り、2連覇の栄冠を勝ち取った。
岡山とのギリギリのラインを打ち合う攻防に、観客席からは「すごい試合や」「こんな試合見たことない」などと感嘆の声が上がった。優勝の瞬間、長尾は「しゃあ!」と力いっぱい雄たけびを上げ、長尾の勝利を見届けた奥は下を向き涙をこぼした。
松浦佑治監督(32)は「夜中まで作戦を練り、守るよりも一から攻める気持ちでいった。(2連覇に)ほっとしている」と安堵。
奥は「感極まって泣いてしまった。僕は東京から和歌山に来て『貢献しなきゃいけない』という気持ちがすごく強く、その責任を感じながらプレーし、結果優勝できてうれしい。僕のテニス人生の中ですごく大きなものになった」。
長尾は「2連覇目指して頑張ってきたので優勝した瞬間、ほっとした。地元開催のプレッシャーもあったが、最後はそれをうまく自分の力に変えて締めることができた。(地元国体という)一生に一度しかない、ありがたい環境でプレーさせていただいた」と喜びを語った。
成年女子は埼玉、少年男子は千葉、同女子は沖縄がそれぞれ優勝した。