太平洋戦争終結から70年を迎えた終戦記念日の15日、戦争の犠牲になった人々の追悼や平和への願いを込めた行事が県内各地で行われ、参列した人々は祈りをささげ、不戦の誓いを新たにした。
和歌山ユネスコ協会(芝本和己会長)は、「平和の鐘打鐘会」を和歌山市吹上の岡山の時鐘堂をはじめ市内と海南市、紀美野町の寺院など37カ所で行った。
岡山の時鐘堂の鐘は、元和元年(1615)の大坂夏の陣で豊臣方が使用した青銅製の大砲を徳川方が獲得し、紀州藩が保管していたものを、鋳直させたと伝えられている。
戦争に用いる大砲が平和利用されたことから、同協会は「争いなき日」と定めている8月15日に打鐘会を行い、昭和23年の開始から68回目を迎えた。和歌山を発祥として広がり、現在は全国約70のユネスコ協会で実施している。
今回は37会場で合わせて1262人が参加。岡山の時鐘堂では、正午から1分間の黙祷の後、一人ずつ鐘を打った。
芝本会長は「平和をいかに次の世代にバトンタッチするかが大切。今後も打鐘会を続け、80年、90年、100年と平和をつないでいきたい」とあいさつ。昨年は別の場所で鐘を鳴らしたという和歌山市井辺の鷺森正明さん(47)は「戦後70年の節目の年なので、この場所で鐘を鳴らそうと来た。父から和歌山大空襲の体験を聴き、戦争は怖い。二度と起こしてはいけないと思う」と話していた。
また、同協会は15日夜、戦後70年とユネスコ創設70年を記念し、和歌山城をライトアップ。天守閣を南側から、平和をイメージする緑色で照らし出した。