6日朝に和歌山市神前の会社役員、吉田基松さん(70)が自宅で死亡しているのを、訪れた知人男性が発見した事件で、県警の司法解剖の結果、死因は頸部圧迫による窒息死と判明した。吉田さんの首に索状物で絞められた痕があった他、室内のタンスなどが物色された形跡もあり、県警は和歌山東署に捜査本部を設置し、強盗殺人事件として100人体制で犯人の行方を追っている。
県警捜査一課によると、遺体発見時には、自宅玄関の鍵はかかっていなかったといい、窓などが割られていることもなかったという。1階寝室であおむけの状態で倒れていた吉田さんは、ガウンのような服を着用していたという。
捜査本部は、事件発覚翌日の7日も、自宅の鑑識作業を続けるとともに、吉田さんの会社の従業員や友人などから話を聞き、あらゆる可能性を探りながら捜査を進め、自宅周辺の防犯カメラ映像を確認し、犯人が映っていないかなどを調べている。事件前にトラブルなどの情報はなかったという。
吉田さんは、県内を地盤に業績を伸ばしてきた住宅販売会社㈱幸福建設の会長を務めていた。
27年前から事件現場付近に住んでいるという男性は吉田さんについて、「ちょうど引っ越してきた時に大きな家が完成したので、近所の人と注目していた」と古くから地元の有力者として知られていたことを話した。別の近所の男性は、「お手伝いの男性と道端であいさつすることはあっても、本人とは話したことはなかったが、立派な経営者ということは知っていた」と話していた。