第97回全国高校野球選手権大会が6日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した。開会式では各都道府県の代表49校が力強い行進で、大舞台に踏み出した。ことしは高校野球100年を記念し、1915年(大正4年)の第1回全国中等学校優勝野球大会に出場した旧制和歌山中学校(現桐蔭高校)の石井佑典君(3年)らが当時の復刻ユニホームを着て入場した。
大観衆が見守る中、出場49校が北から南の順番に登場。県代表の智弁和歌山は、49校中32番目に堂々と入場した。
和歌山大会で桐蔭の主将を務めた石井君は、帽子と袖に大きく「W」のエンブレムが付いたユニホームに身を包み、第1回大会に出場した10校の部員と「高校野球100年」の横断幕を持って行進。同大会では開会式がなく、100年越しに実現した10校の入場行進に、会場からは大きな拍手が送られた。
主催の朝日新聞社代表取締役社長の渡辺雅隆大会会長は「この記念の年に3906チームの代表として甲子園球場の土を踏んだ49校の選手の皆さん、出場おめでとう。さあ、夢の舞台が始まります。日頃の練習の成果を存分に発揮してください。この大会が次の100年につながる素晴らしい大会になることを願います」とあいさつ。
選手を代表して鳥羽(京都)の梅谷成悟主将は「節目の年に聖地、甲子園で野球ができることを誇りに思い、支えていただいた全ての方々に感謝し、全力でプレーをします。次の100年を担う者として、8月6日の意味を深く胸に刻み、甲子園で躍動することを誓います」と宣誓した。
智弁和歌山は9日の第1試合(午前8時から)で、三重県の津商と対戦する。西山統麻主将は「あらためて、甲子園はすごいところだと感じた。早く試合がしたい」と待ち遠しい様子。桐蔭の石井君は「主将として最後の仕事を甲子園で終えられて、伝統の力を肌で感じた」と話していた。