高齢者や子ども、視覚障害者により安全に横断歩道を渡ってもらおうと、県警は16日、和歌山市の田中町交差点で、高齢者・視覚障害者用LED付音響装置の運用を開始した。同装置の導入は、大阪府、愛知県に続き全国で3府県目。
同交差点は、視覚障害者がよく利用する施設「市ふれ愛センター」(木広町)とJR和歌山駅の途中にあり、交通量も多いことから、設置場所に選ばれた。
同装置は、子どもも見やすいように1㍍ほどの高さに設置されている。また、装置両面に信号の点灯状況が表示されているため、近くでも信号が確認できる他、音で信号の状況を伝える。設置費用は160万円。
16日の点灯式には、県身体障害者連盟などの関係者らが集まり、見やすくなった信号と音を頼りに、交差点の渡り初めを行った。
網膜色素変性症で信号が見えにくいという市内在住の山本浩さん(57)は「展示会でもよく見ていた信号なので、設置してもらい、とてもありがたい。低い位置にあるので、子どもも信号が見やすくなるのでは」と喜んでいた。
製造は篠原電機㈱(本社・大阪市北区、篠原基一郎社長)。装置には押しボタンがあり、押すと青信号が5秒ほど延長される他、午後9時から午前7時にかけて停止されている音声誘導が利用できるようになる。