南海トラフ地震の津波被害から子どもを守ろうと、奉仕団体「ライオンズクラブ(LC)国際協会335―B地区」は県内沿岸の保育所、幼稚園、小中学校などに継続的にライフジャケットを寄贈していくことを決め、県と配備推進の共同宣言を交わした。第1ステップとして11月5日の「津波防災の日」を皮切りに、年内に日高郡・御坊市以南の保育所と幼稚園に約1800人分を贈る。
同地区は和歌山県と大阪府のLCメンバー約7000人で構成。青少年育成、環境保全、献血など地域に密着した奉仕活動を続けている。
県は平成24年度から、東日本大震災の教訓を踏まえて学校などへのライフジャケット配備を進めており、津波が早く到達すると想定される日高郡・御坊市以南地域の配備率は6月末現在65・2%。今回の第1ステップ寄贈で同地域の配備完了を目指す。
第2ステップ以降も、ライフジャケットの必要数などを県と検討しながら紀中、紀北地域の学校などにも順次寄贈していく。
配備を推進する共同宣言の署名式が15日、県庁知事室で行われ、同地区の中村猛地区ガバナーと仁坂吉伸知事がサインを交わした。自治体と共同宣言をして継続的にライフジャケットを寄贈していく取り組みは全国初といい、中村地区ガバナーは「ライフジャケットは子どもたちの強力な救命手段。和歌山から始め、全国にこの取り組みが広がれば。達成度100%を目指して頑張りたい」。仁坂知事は「県がまだ手を付けられていない所を埋めていただき、大変ありがたい」と感謝した。