紀美野町真国宮の「りら創造芸術高等専修学校」(山上範子校長、生徒48人)は、来年4月1日から新たに「りら創造芸術高等学校」(全日制・普通科)として開校するため、高校への制度変更を県に申請している。同校の魅力はそのままに高校化することで、高等専修学校としては参加に制約があった高校生の芸術祭などへの参加が可能になり、同校は「生徒の活動の場が広がる」と期待している。
「専修学校」は職業や実生活に必要な能力の育成などを目的とした学校で、「高等専修学校」は中学校卒業者を対象にした高等過程を置いている専修学校をいう。卒業すると、社会的には高校卒業と同等の扱いになる。
全国高等専修学校協会によると、高等過程のある専修学校は全国に437校(文部科学省平成26年度学校基本調査)あり、通信制高校に変更した事例はあるが、普通高校への変更は珍しいという。
同校は平成19年4月、当初7人の生徒数で開校し、ことしで9年目。国語や数学など通常の一般教科を学びながら、ダンス、音楽、演劇、美術、造形芸術、伝統文化などを深く学ぶことができ、そういった分野に夢を持った生徒が全国各地から集まっている。
教育課程は一般科目、専門科目ともに高校学習指導要領の標準単位数を満たしているため、高校になった後も、従来通りカリキュラムを充実していく他は、学校の活動に大きな変更はないという。男女共学、修業年限3年、募集定員30人にも変更はなし。
申請が認可されると、県内の私立高校は全10校になる。同校は「教育目標や教育方針に変更はなく、毎年より良い学校へと取り組んできたことの延長線上に高校化があった。『高校』という大きなフィールドが与えられる反面、高校としての教育が求められ、しっかりとした学校づくりをしていきたい」と話している。