ラグビー夏合宿のメッカ・長野県菅平高原を舞台に18日から第2回全国高校ラグビーフットボール大会が開幕。昨年に続き県代表として出場する和歌山工の戦いが注目される。県大会4試合を無失点の完璧なディフェンスで連覇を達成した和歌山工が予選リーグで激突する相手は、佐賀工と日川(山梨県)といういずれも高校ラグビー屈指の強豪校で、対戦できるチャンスを生かし、全力で臨み巻き起こす和工旋風が期待される。
7人制ラグビーは、来年のリオデジャネイロ五輪(ブラジル)の正式種目に組み込まれ、国内でも年々、関心が高まっている。高校生の全国大会が昨年からスタートしたのも、将来を見据えた若手育成の一環でもある。通常の15人制コートと同じ広さのグラウンドを7人で戦うだけに、選手一人ひとりの脚力やパワーが戦力アップへの大きなポイントとなり、人数が少ない分、確実に相手の突進を止めるディフェンス面のさらなる充実が求められる。
岡本ヘッドコーチの下、チームのディフェンス強化に取り組んできた和歌山工は、県大会でも予選リーグ、決勝トーナメントも圧倒的な強さで、4試合連続無失点を達成。決勝ではこれまで苦渋を味わったライバル熊野を19―0で下し2連覇を達成した。
全国大会で同じ予選リーグとなった佐賀工、日川は15人制の花園でも、毎回優勝候補に名前を連ねる両校だけに、和歌山工にとっては、自分たちの持ち味を生かすパフォーマンスが期待される。これまで鍛えたディフェンスがどこまで通用するのか確かめるのには、最高の相手で、スピードもサイズも違うチームとの対戦は、選手たちが持つ、今の実力を肌で感じられる実戦になる。
3年ぶりの花園出場に、闘志を燃やす和歌山工には、相手に先制点を許さず、粘り強いディフェンスで守りながら、少ないチャンスを生かしたカウンター攻撃が、効果的と考えられる。主導権を握れば、強豪校といえども、相手も同じ高校生、選手たちの奮闘が、新たな和工ラグビーの一ページを飾る。
激戦を前に、小堀翔主将は「ディフエンスをしっかり守り、強豪校が相手とはいえ、無失点を続けていけば、必ず勝利につながる」と力強く答えた。
大会では3校による予選リーグが行われ、試合結果を基にそれぞれが順位別のトーナメントに進み、チャンピオンを目指し熱い戦いが繰り広げられる。