㈱紀陽銀行は2日、和歌山市本町の本店で片山博臣会長(68)=前頭取=と松岡靖之頭取(59)=前専務=の就任記者会見を開き、今後の展望などが語られた。ことし5月2日に創立120周年の節目を迎えた同行は、6月26日付で新役員人事を承認。生え抜きの松岡頭取を先頭に、「地域トップシェア」の確立に向け、新たな一歩を踏み出した。
同行の預金量(3月31日現在)は、3兆8397億円。店舗は県内68店、大阪府内38店を中心に計109店(同)を展開している。今後の県外展開について松岡頭取は、県内と大阪が今後も拠点とした上で、「大阪はまだ開拓の余地があるので、和歌山と同様の店舗数まで、できれば増やしたい」との考えを述べた。
その他の戦略としては、県内の外国人観光客増加に対応したカード決済システム構築の検討や、地方創生の各戦略会議への積極的参加などによる地域貢献を挙げた他、他の地方銀行で進む統合再編などについては「独自路線を貫く」と、統合の考えはないことを示した。
片山会長は今回の人事について、「役員の若返りを図り、さらなる飛躍と発展を目指したい」と前向きな目的を強調。松岡頭取の人柄については、「とても真面目なタイプ。これから新しい計画も出てくるので、真っすぐに取り組む彼が頭取に適任だ」と評価した。
松岡頭取は、県立星林高校、関西大学商学部卒業後の昭和53年4月に同行に入行。平成に入り、白浜支店長、改革プロジェクト推進室長県秘書室長、経営企画本部長、本店営業部長などを歴任してきた。学生時代には、バスケットボール選手で活躍したスポーツマン。