和歌山市内各所に設置されている駐車場案内表示板は、今は無用の長物だった――。現在は使用されていない同表示板について、6月30日の市議会本会議で市建設局の坂本安廣局長は「道路案内表示板への有効利用を含めて、駐車場案内表示板の計画的な撤去を進めていく」と述べた。日本共産党市会議員団の姫田高宏議員の一般質問に答えた。
坂本局長によると、駐車場案内表示板は、既存駐車場の有効利用促進や、交通渋滞の解消、路上違法駐車の減少などを目的に、国、県の協力の下に平成6年度から8年度にかけて各所に設置。しかし、その後、まちなかの小規模コインパーキングの増加やカーナビゲーションの普及など環境の変化により、円滑な駐車場誘導が可能になり、交通事故などは減少。当初の目的が達成されたことから、今後のランニングコストを考え、同17年度に利用を停止したという。
同表示板システムの経費については、市道3カ所と国道、県道を含めた計9カ所分で総額5億6920万円の事業費が掛かっている。システム停止後も表示板が設置されたままであることについては、撤去費用が多額のため、放置されているという。
特定美観地域に指定されている屋形通りにも消灯した巨大な案内板があり、「使われていないのにそのままになっているのは、景観を害している」との声が姫田議員に寄せられたという。