就職を希望する県内全ての高校3年生を対象にした企業説明会「応募前サマー企業ガイダンス2015」(県など主催)が19日、和歌山市手平の和歌山ビッグウエーブとビッグホエールで初めて開かれた。県内のほぼ全高校に当たる39校の生徒2010人と教員、保護者が一堂に集い、参加した県内企業など111社の仕事内容や求める人材像について理解を深めた。
高校生の就職のスケジュールは、7月1日に学校で求人票が開示され、7~8月に企業見学を実施。9月5日から応募、学校推薦を開始する。今回は生徒の職場見学などの就職活動をより効果的なものにするため、また企業の求人拡大を期待し、7月1日前のこの時期に初開催した。
開会式で仁坂吉伸知事は「和歌山は働く所がないというが、それはまったくうそ。皆さんが目指したい分野の立派な企業がたくさんある。それを分かった上で就職先を考えて」とあいさつ。全国平均と比べた和歌山県の家賃の安さ、通勤時間の短さ、充実した医療・子育て環境などを紹介し、「『こんなはずじゃなかった』と思うのが一番いけない。しっかり自分の目で確かめて、人生を決めてもらいたい」とエールを送った。
生徒たちは就職の心構えやマナーなどについての講義を受けた後、興味のある企業のブースに分かれて説明を受けた。製造、サービス、医療・福祉、飲食・宿泊などさまざまな業種のブースが並び、採用担当者は「何のために働くか。売上や利益のためではなく、お客さんの便利さや幸せを追求するため」などと企業理念を熱弁していた。
県立南部高校龍神分校(田辺市)3年の伊藤百香さんは「卒業したら大阪で働こうと思っていたけど、知事の話で和歌山での就職も検討しようと思った」。カラカミ観光㈱ホテル古賀の井・コガノイベイホテル(白浜町)の日向訓司さん(51)は「高校生は夏休みには就職先を決めている場合がほとんどなので、この時期の説明会はありがたい。紀北の高校生にも広く会社を知ってもらいたい」と話していた。
来年度以降の開催について県労働政策課は、「生徒と企業の反応を見て継続するべきか検討していきたい」としている。