和歌山市内を中心に食品スーパー「スーパーウジタ」などを展開する宇治田㈱(同市古屋、宇治田啓造代表)は29日、和歌山地裁に民事再生法の適用を申請し、同日付で監督命令を受けた。帝国データバンクによると、負債総額は約15億2000万円。
同社は昭和38年10月に設立。「スーパーウジタ」の屋号で同市河北地区を基盤とし、県内4店舗、大阪府1店舗で運営を行っていた。50年代以降は好素材の輸入食品やローカルブランドの紹介、品質の良い商品により独自性の強い商品力を構築。高級食材を扱うブランドイメージが確立し、河北地区ではトップシェアを確保した。
最盛期には年間延べ300万人の来店客数を誇り、平成3年9月期には年売上高約72億7300万円を計上したが、その後は、競合店の出店で集客力と売上高が落ち込んだ。
26年3月、県内最大級のショッピングセンターが開店したことで、さらに大きなダメージを受け、創業店舗である松江店を同年4月に閉鎖。26年9月期には50億円を割り込む厳しい経営が続いていた。27年9月期に入り、大衆層をターゲットとする商品を充実させたが、業績の改善には至らず、資金繰りが悪化。民事再生による再建を決めた。