江戸時代初期から400年近く続く紀州東照宮(和歌山市和歌浦西、西川秀紀宮司)の大祭「和歌祭」が17日、和歌浦一帯で開かれる。竹籠(かご)を背負う母衣(ほろ)、太鼓や端唄(はうた)を響かせる唐船(とうぶね)など、ことしも渡御行列には約1000人が参列予定。本番に向けて演者たちは連日、けいこを重ねている。
保育園児から小学生までの子どもたちによる団扇太鼓と餅花踊りの練習は11日から同宮参道でスタート。5日連続で行われ、初日は約15人が参加した。
母衣などの経験があり、子どもの頃から和歌祭に参加している松井瑛雄(てるお)さん(87)、和歌祭実行委員会の宮本庄悟さん(54)が中心となって指導し、男子は餅花踊り、女子は団扇太鼓を練習。演者はササ、団扇太鼓を手に、宮本さんの掛け声や太鼓に合わせ、振りを覚えながら参道を歩いていた。
当日、団扇太鼓と餅花踊りには約35人が参列する。松井さんは「練習日は限られていますが、毎年、お祭り当日はビシッと決めてくれます。楽しんでくれたらうれしいですね」と話していた。
和歌祭は、17日午前11時半から同宮の108の石段を勇壮に駆け下りる「神輿(みこし)おろし」で幕開け。正午に渡御行列が同宮を出発し、海岸通り、和歌浦漁港、片男波海水浴場、万葉館、不老橋、あしべ通りへと練り歩く。5カ所に演舞ポイントが設けられている。
この他、各種伝統芸能の披露やフォトコンテストも実施する。同祭は雨天中止のため、天気が気掛かりという西川宮司(71)は「ことしも約1000人が参列してくれます。ただただ、晴れてくれることを祈ります」と話している。
周辺は、渡御行列が行われる正午から午後4時ごろまで交通規制あり。詳しい規制の情報はホームページ(http://wakamatsuri.com/)で。問い合わせは同宮会館(℡073・444・0808)。