フルーツなど県の特産品と厳選したチョコレートをコラボレーションした「和歌山ショコラ」の製造・販売を行う初の専門店「wakayama*chocolat toco*towa(とことわ)」が27日、和歌山市塩屋の住宅街の一角にオープンした。障害者の就労支援事業所であり、社会参加や地域との交流にも期待が高まる。
同店は、就労継続支援A型事業所であるNPO法人ジョイ・コム(和歌山市中島、岡田亜紀理事長)が運営する。
店内の棚やショーケースには、県産のデコポンや梅の実を使用したオランジェ、サンショウや湯浅しょう油と合わせたボンボンショコラなど、県の特産品を使った商品の他、チョコレートドリンク、ガトーショコラなどが並んでいる。カフェも併設し、約70種類のチョコレートとともにケーキやドリンクが楽しめるスペースにもなっている。
27日、オープニングセレモニーが行われ、同NPOの役員や関係者らが出席。岡田理事長は「みんなが活躍する場を盛り上げながら“和歌山ならでは”をしっかりと盛り込んだチョコレートとして、地元はもちろん全国、世界に発信できるものにしていきたい」とあいさつ。テープカットで店の出発を祝った。
開店と同時に同僚と駆け付けた和歌山市津秦の小島真理子さん(25)は「チョコが大好きなので、専門店ができてうれしい。めっちゃおいしい」と顔をほころばせていた。
同NPOは、障害のある人の社会参加を支援しようと、企業などからハーネス加工作業、家庭用品梱包作業、介護施設の清掃などの仕事を請け負っている。
利用者の特性やニーズに応じた活躍の場を広げようと、今回のチョコレート専門店を立ち上げ、店名の「とことわ」には、日々の小さな幸せがずっと続くようにという願いが込められている。
同店は日本財団の事業「夢の貯金箱」のミッションの一つ「障害者を一流のショコラティエに!」に賛同。同ミッションのブランド「久遠チョコレート」を通じて地方では入手困難といわれるピュアチョコレートを使用するとともに、シェフショコラティエの野口和男さんに商品プロデュースを受けている。