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アロチの客引きなくならず 条例強化1年

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 和歌山市の繁華街「アロチ」とその周辺地区で歓楽的雰囲気を醸し出すラウンジやキャバクラなどの客引き(キャッチ)行為を規制する県迷惑防止条例は、昨年6月1日の改正強化から1年が経過した。県警はこれまでに、違法客引き7事件の11人を検挙した。同条例違反や風営法違反で逮捕された違反者は、送検後に最長20日間勾留され、罰金は最高で80万円の判決が出た例もあったという。

 県警生活安全企画課によると、客引きの苦情、通報が増えるのは、木、金、土の各曜日午後9~11時ごろ。県警はこれまで、私服警官の巡回や一斉取り締まりなど監視を強化してきた。しかし、「客引きがいる」との通報を受け警官が現場に向かうも、警察の動きを察知してか、発見できないケースが多くなっているという。

 警察の目から逃れるため、これまでのスーツ姿から私服に替えて、まちにとけ込み活動するなど、巧妙化。職務質問しても「客引きなどしていない」と否定されれば、手出しができないのが現状だ。

 県警は昨年の条例改正以後、アロチの各店舗約200軒に立ち入り検査し、健全化を目指して、違法な営業や客引きをしないように指導してきた。「今後も警戒を継続して行い、店側には違法な客引きを行わないように指導していきたい」と話している。

 一方で、もっと取り締まってほしいというアロチで店舗を営業する男性経営者は「キャッチでの客獲得は宣伝広告費がいらず金がかからない手法」とし「条例改正後、キャッチをやめ集客できず店を閉めた経営者もいる。経営は厳しくなるが、法や条例をきちんと守った人間がばかをみるのはおかしい」と違法店舗に怒りを露わにしている。

    ◇

 必要性主張するキャッチも 電飾の光で華やかにアロチの夜の幕が開けた平日午後9時。店舗前の歩道には、すでに数人の若いキャッチの男性が立ち、客を待ち構えていた。

 服装はさまざまで、スーツ姿もいれば、一見客引きには見えない黒のポロシャツにジーパンとラフな若い男性も。客引きらは、千鳥足の中年男性らを見つけると、そっと近づき「1セット、○○○○円です。いかがですか」と声を掛けていた。

 その50㍍ほど先には回転灯を回して停車し警戒するパトカーの姿も。しかし、彼らは、おかまいなしといった様子でキャッチを続けた。

 いつもと変わらないアロチの風景にタクシー運転手の男性は「条例改正前よりキャッチは増えたのではないかな。キャッチのおかげでもっている店もあるだろうしね」とあきれた様子で話し、「タクシーに乗ろうとしているお客を呼び止めたり、お客を追い掛けて信号が赤なのに堂々と渡っていたり、マナーは守ってほしいよね」とつぶやいた。

 交差点で私服を着てキャッチしていた20代前半の男性は、「(条例が強化されて)キャッチがやりづらい」と苦笑いしながらも「お客さんも信頼してくれているし、自分たちがいなくなるとお客さんが困るんじゃないかな」とキャッチの必要性を主張した。


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