産業の発展と環境との共生を目指し、地球環境保全活動に貢献している企業や団体を表彰する「第24回地球環境大賞」(フジサンケイグループ主催)で、東洋ライス㈱(本社=東京都、和歌山市黒田、雜賀慶二社長)が環境大臣賞に選ばれた。同社を含む10の企業・団体の授賞式が9日、秋篠宮ご夫妻が出席される中、東京都港区の明治記念館で行われた。
東洋ライスは、とぎ汁が一切出ないBG無洗米の生産によるヘドロやCO2排出量削減の取り組みが評価され、今回の受賞となった。同社は平成3年に世界で初めてBG無洗米を開発し、翌年から24年度までの21年間で延べ538万4501㌧を生産。とぎ汁を原因とするヘドロを19万3842㌧、とぎ汁を下水処理場で処理するために発生するCO2排出量を33万3839㌧削減したことになる。
24年以降は、BG無洗米の製造時に出る副産物「米の精」(肥料)を活用し、健康でおいしい作物づくりと多くの生物であふれる土作りを行う子ども向け体験型環境教育推進プログラム「いきものみっけファーム」に取り組んでいる。
授賞式では、フジサンケイグループの日枝久代表と同大賞顕彰制度委員長の御手洗冨士夫キヤノン会長兼社長(CEO)があいさつ。審査委員長の有馬朗人武蔵学園長が「今回は日本を代表する有力企業の環境活動や中小企業の真摯(しんし)な取り組みが多かった」と講評。鈴木正規環境事務次官から雜賀社長に表彰状とトロフィーが手渡された。
その後のレセプションには経済界などから約500人が出席し、受賞者は、秋篠宮ご夫妻を囲んで自社の技術や取り組みを紹介。雜賀社長は、無洗米の開発経緯や米ぬかの活用について説明し、秋篠宮ご夫妻は熱心に耳を傾けられた。
雜賀社長は「私どもは広い産業界から見たら端っこだと思っていたので、素晴らしい企業の中に入って一緒に表彰を受けることは思いもしなかった。BG無洗米は環境のために開発したもの。いっそう頑張らなければという気持ちになった」と受賞の喜びを話していた。
同社以外の今回の受賞企業・団体・学校は次の通り。
地球環境大賞=トヨタ自動車㈱▽経済産業大臣賞=東レ㈱▽文部科学大臣賞=山陽女子中学・高校地歴部▽国土交通大臣賞=森ビル㈱▽農林水産大臣賞=カルピス㈱▽日本経済団体連合会会長賞=住友ゴム工業㈱▽フジサンケイグループ賞=㈱セブン&アイ・ホールディングス▽審査委員特別賞=CONTRAILプロジェクトチーム、任意団体アニマルパスウェイ研究会