かつて和歌山市松江地区の紀の川河口から磯の浦の山にかけて存在した 「松江浜」 を後世に語り継いでいこうと、 地域で保管されていた碑 「松江浜之跡」 が松江小学校 (横瀬勤校長) の校庭に設置された。 5日、 同地区 (川崎敏弘連合自治会長) の自治会長らが集まり、 除幕式を行った。
川崎会長によると、 松江浜には松林があり、 多くの漁民が生活していた。 戦後、 企業の進出や工場の拡張など時代の流れによって埋め立てられ、 昭和51年3月に新日鉄住金㈱和歌山製鉄所 (旧住友金属工業) からこの碑が寄贈された。 碑は当時村山だった松江緩衝緑地公園に保管され、 住民が管理してきた。
碑が設置された松江小も以前は松江浜の松林の中にあり、 昭和39年に現在の場所に移転。 その時に建てた記念碑 「3人の子どもの碑」 が劣化し、 転倒の恐れがあることから撤去されることになり、 代わりに 「松江浜之跡」 が移設された。
この日の式には川崎会長をはじめ、 横瀬校長、 市教委の原一起教育長ら約20人が出席。 松江春日神社の閏野浩志宮司による神事が行われた。 除幕は川崎会長、 横瀬校長、 原教育長、 新日鉄住金和歌山製鉄所の吉木直也総務室長、 ㈱明松の道尻正勝支配人、 ㈱ダイゴの網代良孝さんの6人で行い、 出席者一人ひとりが玉串をささげた。
横瀬校長は 「この碑は地域との連携の象徴。 子どもたちに松江浜を伝えていきたい」。 川崎会長は 「子どもたちや地域の方々に、 代々語り継いでいってほしい」 と願いを込めた。