弘仁7年(816)に弘法大師空海が高野山に密教の道場を開いて1200年目となることを記念し、2日、高野町の高野山真言宗総本山金剛峯寺などで記念大法会(ほうえ)が始まった。主要事業として、江戸時代に焼失した壇上伽藍(だんじょうがらん)の中門が172年ぶりに再建され、初日には開創大法会開白・中門落慶大曼荼羅供が執り行われた。5月21日までの50日間、連日さまざまな法要が予定されている。
中門は天保14年(1843)の大火により焼失。記念大法会に向けて平成22年に工事を開始し、鎌倉時代の建築様式を基に設計され、東西25㍍、南北15㍍、高さ16㍍規模の新たな中門が完成した。
また、かつて中門に安置され、修復された持国天、多聞天に加え、昨年秋には約2年かけて広目天、増長天の二天王を新たに造立。法会初日の早朝には、これまで白い布で覆われていた四天王がお披露目された。
中門の完成を記念して大相撲の白鵬、日馬富士(はるまふじ)の両横綱が奉納土俵入りを披露。参拝者の「よいしょ」の掛け声とともに四股を踏み、力強く地固めした。
また、壇上伽藍大会堂を出発した僧侶ら約400人が中門までお練りし、大勢の参拝者が見守る中、くぐり初めを行った。
壇上伽藍金堂では、僧侶や来賓約400人参加のもと法要が営まれ、本尊の薬師如来(秘仏)が特別開帳された。
大阪府富田林市から訪れた瀬脇宏子さん(79)は「節目の年に高野山に来られたことをうれしく思います。散華も頂き、すがすがしい気持ちになりました」と話していた。
大法会期間中にはこの他、金剛峯寺の持仏本尊開帳、霊宝館保管の国宝・重要文化財の特別公開、壇上伽藍根本大塔への3Dプロジェクションマッピングの投影(5月12日~17日)などがあり、期間中は国内外から約30万人の参拝客を見込んでいる。