次代の県経済をリードする企業の発掘と育成に取り組む「県企業ソムリエ委員会」(会長=島正博島精機製作所社長)は、理美容バサミの製造・販売を手掛けるハヤシ・シザース(和歌山市手平、林伸昭代表取締役)を新たに認定した。
17日、県庁知事室で認定証の授与式が開かれ、島会長から林代表取締役に認定証、仁坂吉伸知事からは企業ソムリエの証しであるスペイン産のワインが贈られた。
県企業振興課によると、同社は、ハサミ業界では異例の自社製造・販売のスタイルを守り続けており、美容師から直にオーダーを細かく聞き取り、技術者が手仕事で作り上げていく。切れ味だけでなく、持った時のバランス感など使用時の感覚も追求し、研ぎやメンテナンスなどのアフターケアも充実。顧客からの信頼は高く、リピート率は90%に達するという。また、加工が難しい高硬度鋼材を専用機械と手作業で仕上げ、高品質のハサミを短納期で製造している。
今回評価を受けたビジネスプランでは、刃の部分に超高硬度鋼技術を施すことにより、メンテナンスや修理が原則不要な、滑らかな切れ味のハサミを開発。今後、全世界に販売するとしている。
林代表取締役は「いい製品ができたと思っている。県から研究が認められた。今まで以上に結果を出し、先を見据えながら業界のトップランナーとなる気持ちで頑張っていく」と話していた。
同委員会によるこれまでの認定企業は同社を除いて10社、今後の努力により認定が期待される激励賞企業は9社となっている。