部活動で生徒に体罰を行ったとして、県教育委員会は17日、上富田町立上富田中学校の野球部顧問の男性教諭(35)を停職1カ月の懲戒処分とした。
県教委によると、男性教諭は昨年8月からことし2月ごろにかけて、指導を守らなかったなどの理由で、2年生の野球部員5人に対し、平手で頭をたたく、足を蹴るなど16回にわたる暴力を繰り返した他、「ルールを守らなければしばかれる」との誓約文を書かせ、「しばくぞ」「殺すぞ」などの暴言も浴びせていたという。いずれの部員もけがはなかった。
男性教諭は平成17年4月に同校講師、21年4月に保健体育科教諭として採用。講師時代から野球部を指導し、これまでも部員への体罰を理由に、19年から昨年にかけて同町教委から厳重注意3回、文書訓告1回の処分を受けていた。
県教委は、体罰の常習性や誓約文を書かせるなどの悪質な内容から、体罰の処分としては重いという停職処分を決めた。県教委に対して男性教諭は「生徒に求めるものが大きすぎた。多くの方々に多大な迷惑を掛け、子どもの体、心を傷付けてしまった」と話しているという。
今回を含め、本年度の教職員の懲戒処分は4件4人(昨年度8件10人)。体罰による懲戒処分は24年度以来で、県教委は「教育公務員としての信用を著しく失墜させた。市町村教育委員会に指導を行い、体罰についての周知を図っていきたい」と話した。