2月5日夕方に紀の川市で発生した小学5年生児童刺殺事件から1カ月がたち、児童の安全を守る取り組みが進められている。隣の岩出市は、市教育委員会が市内の小学校6校と中学校2校で緊急の不審者訓練の実施を決めた。
初回の4日、岩出小学校(高岸伸次校長、児童376人)では、岩出署の協力で訓練を行った。刃物を持った不審者役の署員は、授業中の校舎2階の教室廊下まで侵入。不審者に気付いた担任の教員が廊下に出て対応し、騒ぎに気付き駆け付けた他の教員らがさすまたで押さえ込んだ。
訓練後には署員から、教室内に児童を誘導する教員がいなかったことなど課題が指摘された。体育館に集まった児童らの前で同署生活安全刑事課の植地彰政警部補は「岩出署には、週1、2回も不審者情報が寄せられているので、一人での登下校は避けてほしい」などと呼び掛け、危険回避をアドバイスした。
高岸校長(60)は「紀の川市の事件以降、各教員の危機意識が高まっているので、継続して子どもたちの命を守っていきたい」と話していた。