和歌山大学システム工学部環境システム学科の卒業設計発表会が2月28日、和歌山市福町の同大学まちづくりプロジェクト室で開かれ、建築設計を学ぶ7人がそれぞれ作品を発表。最優秀賞に椛島充智さん(22)が輝いた。
同大学の教員でつくる環境デザイングループのゼミ生の作品発表の場として毎年開催。公益社団法人日本建築家協会(JIA)近畿支部和歌山地域会などが協力している。
学生たちは駅前商店街の再開発や、古いレンガ倉庫の再利用など、自分たちの身の回りに焦点を当てて課題を見つけ、その解決策として自身の考えを作品で表現。発表では作品に込めた自身の思いを伝えた。
椛島さんの作品のテーマは「古墳空間」で、開発により一部分が失われた古墳を現在の生活に合わせてよみがえらせようと提案。駅のプラットホームからつながる公園として人が集う空間を設計した。椛島さんは「古墳を新しい形で提案できればと考えた。今後も建築と地域の関わり方を学んでいきたい」と話していた。
全体の講評として、ゲスト審査員で建築家の塚本由晴さんは「具体的な場所を選んで、良くしようと提案しているのが印象的。より良くしようとすれば相手を知り、特徴を引き出さないといけない。建築は夢を投影したものでもある。そこを大切にしてほしい」と話していた。
その他、優秀賞に森野優作さんの「insede―outside」、優秀賞とJIA賞に的場駿弥さんの「連空堀東地区活性化に伴う長屋再生型複合施設の提案」が選ばれた。