統一地方選の前半戦となる県議選(4月3日告示、12日投開票)の海南市・海草郡選挙区(定数3)は3日、維新の党新人が名乗りを上げ、無投票ムードが一転。現職3人は臨戦態勢を整えているため1人超過となり、平成19年の合区以来初めての選挙戦が確実な情勢となった。告示まで1カ月を切る中、短期決戦へ一気に熱が高まってきた。
維新から立候補を表明したのは、東京都出身の二瓶文隆氏(55)=海南市大野中=。3日に同市内で会見し、「よそ者だからこそ和歌山のいいところが目に付く。豊かな資源のある海南・海草の知名度を全国で高め、和歌山を元気にする」と決意を示した。
二瓶氏は、拓殖大学大学院商学研究科修了。税理士・行政書士事務所長、経営コンサルタント会社社長。平成11年4月から3期12年、東京都中央区議を務めた。昨年に海南市に移り住んだ。
公約には、地方議員の報酬3割カット、農業用水路を活用した小水力発電による地産地消のエネルギー創出などを掲げている。
一方、現職(五十音順、丸数字は当選回数)は、尾崎要二(61)=自民⑦、海南市下津町上=、雑賀光夫(70)=共産③、海南市船尾=、藤山将材(39)=自民③、海南市野上中=の3氏。直近の選挙戦で獲得した票数は、11年の旧海草郡選挙区(定数2―候補3)で尾崎氏が1万86票、15年の旧海南市選挙区(定数2―候補3)で雑賀氏が7756票、藤山氏が8585票となっている。
また、昨年12月の衆院選では海南市と海草郡を合わせ、小選挙区で自民候補が1万7010票、維新候補が8971票、共産候補が2728票を獲得。比例代表では自民が9946票、維新が7601票、共産が3252票だった。
現段階では知名度と地盤のある現職3氏が先行し、新人の出遅れは否めない状況だが、海南市では12年ぶり、海草郡では16年ぶりとなる選挙戦で票の行方は見えづらく、有権者の関心も高まることが予想される。