日赤和歌山医療センター(和歌山市小松原通、百井亨院長)は4月1日から、夜間・休日の救急外来を受診する患者から、通常の診察料金とは別に「時間外選定療養費」として5400円(税込み)を徴収する。高度救命救急センターとして、一刻を争う重症な救急患者への対応を優先するため。同療養費の導入は県内では初めて。
同センターの平成26年1~10月の時間外救急者数は2万7245人で、一日平均では90人。うち入院となるのは約20人で、約70人は帰宅できる軽症患者となっている。麻酔科医師や外科系医師が減少する中、急増する軽症の時間外受診の患者の対応に追われ、高度救命救急センターの役割である重篤な救急患者への対応に支障をきたしている現状がある。
時間外選定療養費の対象は、平日の午後5時半から翌日の午前9時までと、土日祝日、年末年始、同センターの創立記念日(5月1日)に軽症で救急外来に診察に訪れた人。
他の医療機関の紹介状がある場合、入院が必要な場合、同センターの医師から救急外来受診の指示がある場合、当日受診をして症状が悪化した場合などは対象外となる。
同センターは「時間外選定療養費を徴収することが本意ではなく、高度救命救急センターとして24時間体制の救急医療を今後も継続するため、また、一刻を争う重症な救急患者の受け入れ体制を維持するため、やむなく徴収することになった」と説明しており、理解を求めている。