県が紀の国わかやま国体(9月26日開幕)までの開通を要望してきた近畿地方整備局の5つの直轄国道のうち、京奈和自動車道紀北西道路と第二阪和国道和歌山岬道路の完成が、平成28年度中までずれ込むことが分かった。25日、同局から状況説明を受けた仁坂吉伸知事、尾花正啓和歌山市長はともに「残念」と話し、引き続き早期の完成を求めた。
同日、同局の伊勢田敏道路部長ら幹部が県庁と和歌山市役所を訪れ、工事の遅れを明らかにした。
紀北西道路は紀の川インターチェンジ(IC)と和歌山ジャンクションを結ぶ12・2㌔。和歌山岬道路は和歌山市の大谷ランプと大阪府岬町の深日ランプを結ぶ7・2㌔。工事用道路を造るための借地交渉や、大阪府側の用地取得が難航し、今後の工事に響いているという。
一方、近畿自動車道紀勢線(田辺~すさみ間、38㌔)、那智勝浦町の那智勝浦道路(6・3㌔)と新宮市熊野川町の奥瀞(おくとろ)道路(5・2㌔)はスムーズに工事が進み、国体までに開通予定となっている。
この他、27年度開通予定だった鍋谷峠道路(和泉市~かつらぎ町)も28年度中に遅れることが報告された。
県庁で説明を受けた仁坂知事は「悲願だった紀北筋の道路は難しいということだが、これ以上急がせると危ないという感じもする」と理解を示し、「進ちょくしている所だけでもぜひ国体までに完成を。われわれも大いに協力する」と要望した。また、用地取得の難航については「大阪にとっても大事なこと」と地元の協力を求めた。
和歌山市役所では県京奈和自動車道建設促進協議会長を務める尾花市長が説明を受けた。尾花市長は「28年度になったのは残念だが、24時間で突貫工事などをやられており、やることは全部やっていただいている」とし、「国体の渋滞緩和に役立つように、市内分への供用をできるだけ急いでいただきたい。強く国に求めていきたい」と述べた。