和歌山市出身の税理士で、みどり税理士法人(大阪市)代表社員の新谷達也さん(40)が、今月1日に大幅改正された相続税について解説する『平成27年1月からの はじめての相続税の申告実務と課否判定』(清文社)を出版した。基礎控除が6割に引き下げられ、課税対象者が大幅に増える相続税の申告実務について、初心者から税務のプロにまで分かりやすく解説した一書となっている。
相続税とは、死亡した人から相続や遺言によって財産を取得した際に課税される税金のこと。今回の改正では、基礎控除額の引き下げにより、例えば相続人が3人の場合、改正前の基礎控除額が8000万円だったのが、改正後は4800万円となる。地価の高い地域では自宅を所有しているだけで相続税が課税される場合も出てくる。
同書は、どのような財産が相続税の課税対象となり、申告が必要かどうかを判断できる内容となっている。また、相続が発生した場合の手続きや申告書作成の注意点、相続税の計算の仕方、申告書の書き方などを簡潔に説明している。
新谷さんは、大阪市内の大手会計事務所の資産税部門で、相続をメーンに業務に携わってきた。平成21年にみどり税理士法人を開業。関西圏を中心に全国に顧客を持ち、各地でセミナーの講師なども務める。新谷さんは「改正で相続税がさまざまな所で注目されている。今後たくさんの情報があふれてくる中で、その情報が正しいかどうか判断する力を付けておかないといけない。本を活用してもらい、相続の悩みや不安を持っている人たちのお役に立てれば」と話している。