海南市の中学3年生の少年(15)が9日朝、市内の路上で面識のない女性を包丁で刺して重傷を負わせ現行犯逮捕された殺人未遂事件について、市教育委員会は同日夕方、下津行政局で記者会見を開き、今後の対応や少年の学校生活について説明した。
事件発生を受けて市教委は緊急会議や市立小中高21校の臨時校長会を開催。連休明けの13日から少年が在籍する中学校にカウンセラーの派遣を決めた。会見の冒頭、西原孝幸教育長は「非常に重く受け止めている」とし、「他の子どもや保護者、地域住民の皆さんに不安が広がらないよう、きめ細かな対応をしていきたい」と述べた。
少年が通う中学校の校長らによると、少年は他の生徒とのコミュニケーションや友人関係を続けることなどに苦手なところがあり、2年生の途中まで市内の別の中学校に通っていたが、いじめを受けたことなどから平成25年9月に現在の学校へ転校した。
少年は26年4月に他人のかばんを奪う問題を起こし、10月下旬からは幻影が見えると訴えるなど精神的に不安定となり、学校を一時連続で欠席したが、病院に通い、以降は少しずつ登校していた。3学期は通常通りに授業を受け、事件当日は家族から「体調が悪いので休ませる」と連絡があったという。