日本の伝統芸能、鼓のワークショップ(全3回)の最終講座が12日、和歌山市民会館であり、10代から70代までの20人が練習の成果を披露し合った。
日本の伝統文化にふれてもらおうと、同館や市伝統文化活性化実行委員会(NPO法人和歌の浦万葉薪能の会)などが主催。平成26年度文化庁「伝統文化親子教室事業」。
同市出身で、現在は兵庫県に住む大倉流小鼓方の上田敦史さん(41)が講師となり、鼓の持ち方や構えなど、基本所作から、調べ緒(しらべお)を強く握ったり、緩めたりして音の高さを変えていることなど指導してきた。
参加者のほとんどが鼓に触れるのは初めてだったが、ワークショップの集大成として謡曲「翁」の一節を披露。2グループに分かれ、上田さんの掛け声にタイミングを合わせて鼓を打った。
上田さんは「鼓を通すことで、生身の自分に向き合うことができる。初めと比べて独特の緊張感ができ、鼓が皆さんのものになったようですね」と高評価。
和太鼓を習っているという桐蔭高校3年生の崎濱木実(くるみ)さん(18)は「音を出すのは思った以上に難しかったけど、いい音が出た時はうれしかった。周りと息を合わせて演奏する和楽器は楽しいです」と笑顔だった。