衆議院予算委員長に就任したのは、平成25年10月15日でした。平成26年度予算は各党予算委員会理事の皆さんの協力により、衆議院を2月28日に通過した後、3月20日に成立しました。これは、戦後3位の早期成立となり、安倍内閣のデフレ脱却、景気回復に向けた強い意志を内外に示す結果となりました。私は予算委員長として、審議に際し与野党問わず幅広く意見を聞くとともに、地方の声をしっかりと予算に反映させるため、地方公聴会(山梨県・鹿児島県で開催)にも足を運び、丁寧な審議・意見聴取を心がけました。質疑時間は70時間に及びましたが、特に印象深かったことは、その間審議の中断は約10分足らずで、ほとんど途中で中断することなく、一般会計総額で95兆8823億円の予算が記録的なスピードで成立するに至りました。これにより、東日本大震災の復興や地震・津波に対する事前防災対策など、国民の命と暮らしを守る政策に関する予算が年度当初より滞ることなく執行される結果となりました。
通常国会閉会の後、予算委員会理事メンバーで香港・マカオ・インドネシア・ベトナム・ミャンマーを訪問し、アジア・アセアン諸国における経済、財政及び政治状況の調査を実施しました。調査団は委員長の二階俊博が団長を務め、塩崎恭久議員(現厚労相)、公明党の石田祝稔議員をはじめ自民・公明・次世代各党9名のメンバーで構成されました。【他の参加議員:林幹雄理事、上杉光弘理事、森山裕議員、金田勝年議員、萩生田光一議員(以上自民)杉田水脈議員(以上次世代)】
最初の訪問地、香港においてはリョン行政長官との会談を皮切りに目覚ましい発展を遂げる香港のトップリーダーたちと意見交換を行いました。とりわけ、フレッド・ラム香港貿易発展局総裁や高永文食物衛生局長官との会談では、いまだ香港において継続されている福島県を中心とする東北・関東地方の産品の輸入禁止措置をいち早く解除するべく訴えてまいりました。その結果、近く香港当局の責任者が来日し禁止措置解除に向けた調査を実施することになりました。
また、日本の農産物の輸出拡大に関する規制緩和をめぐり、突っ込んだやり取りがなされました。帰国後、直ちに農林水産省担当局長を現地に派遣し、問題解決に向け前進を図っています。現地での昼食会では、紀の川市の中村慎司市長からお預かりした、紀の川産の桃を要人等に振る舞いました。その桃の味の良さと大きさに目を見張りながら食されました。現在、中国本土への食品輸出はさまざまな障壁がありますが、香港を経由して中国市場へ再輸出することができれば、これまでにないダイナミックな経済交流が可能になると考えています。
仁坂知事も提唱、努力されている、和歌山県の農産物、海産物の海外輸出が更に展開しやすい環境を構築するべく、スピード感を持って対応してまいります。
いずれも日本の農林水産業が「守り」から「攻め」に転ずるため、自由民主党はこれらの政策を全力で推進することをお約束します。