仁坂吉伸知事と和歌山市の尾花正啓市長が直接議論を交わし連携を深めることを目的にした県市政策連携会議が30日、県庁で開かれ、互いに抱える課題について情報交換し連携推進を約束した。会議は、仁坂知事から厳しい意見が出る場面もあったが、尾花市長も理解を示し、和やかに進んだ。
同会議は、仁坂知事が大橋建一前市長の時代から呼び掛けて開催を目指していたが、実現したのはこれが初めて。会議には、両機関の部長や局長級が10人程度出席し、向かい合う形で相まみえた。
冒頭で仁坂知事は「耳の痛いことも言わせてもらうが、皆さんもおっしゃってください」と活発な議論を要望。尾花市長は、市長選の公約「産業、まち、人を元気に」に沿う形で13項目にわたり事業を提案し、県側に協力を呼び掛けた。
両者は、まちなか再生や観光振興、道路整備などの推進で考えが一致。しかし、市側が要望した教職員人事権の県から市への移譲について仁坂知事は「和歌山市を抜いた県の採用では、良い人材も採れなくなる。県全体のことも考えてほしい」と受け入れなかった。