南海電鉄和歌山市駅前の再開発構想について、尾花正啓市長は「市駅の交通、商業機能と市民図書館、市民会館、市立博物館の公共施設との融合を図ることは、まちなかのにぎわい創出につながる」と、老朽化する3施設との一体的な再開発の可能性を示唆した。22日の市議会本会議で戸田正人議員(絆クラブ)の代表質問に答えた。
戸田議員によると、市立博物館の22~24年度の平均年間利用者数は1万2652人。来館者が少ない日は5、6人しかなく、管理コストも年間1億2000万円ほど掛かっており、「市の歴史的遺産は、市民の目にあまりふれることのない宝の持ち腐れ」と厳しく指摘した。
さらに、年間2億円の管理運営費が必要な市民会館で、大ホールの稼働率が3割しかないことや、市民図書館の1人当たりの貸し出し数が、全国平均5・4冊に対し2・2冊と、42中核市の中で最下位であることなど、改善の必要性に言及。他府県の図書館では、DVD、書籍のレンタルや販売事業者が指定管理者となり増客を達成していることや、デパート内に図書館が設置され、利便性が向上しているなどの例を挙げ、柔軟な施設運営を求めた。