県立医科大学みらい医療推進センター (和歌山市本町、 フォルテワジマ5階) が、 国内唯一の 「障害者スポーツ医科学研究拠点」 として文部科学省に認定された。 最先端の設備と研究成果を活用し、 予防医学やリハビリテーションなど関連領域の研究者との連携、 共同研究の推進を目指しており、 障害者だけでなく高齢者など幅広い国民の健康増進への寄与が期待されている。
15日に県立医大が記者会見で発表した。 認定期間はことし4月から平成31年3月末までの6年間。 認定により、 全国の研究者が同センターを利用し、 共同研究を効率的、 円滑に実施できる環境整備などを進める。 研究者専用ブースの整備、 研究データベースシステムの構築と提供、 研究支援助成制度の創設などが予定されている。
県立医大は、 付属病院が日本障害者スポーツ協会・日本パラリンピック委員会推薦メディカルチェック医療機関に指定され、 ロンドン・パラリンピックの日本代表選手のメディカルチェックを行ったなどの実績がある。
同センターは21年7月に開設。 高精度の3次元動作解析装置、 地球上のあらゆる気候を再現する人工気候室など最先端の機器を備え、 臨床研究の場となる診療所を併設している。
同センターげんき開発研究所所長の田島文博教授は、 30年間にわたり障害者スポーツを研究し、 日本パラリンピック委員会医学委員会副委員長、 アンチドーピング機構パネリストなどを歴任。 副所長の三井利仁助教は、 国際パラリンピック委員会が認めた世界で7人の競技・コーチ学修得者としてアジア大会技術委員長を務めた他、 パラリンピック6大会に日本代表コーチ・監督・役員として参加するなどしている。
三井副所長は 「障害者が安全、 安心にスポーツを楽しむことができる社会、 健康長寿社会を実現していきたい」、 田島所長は 「どんな人も将来、 何らかの障害を持つ可能性がある。 それを予防することと、 たとえそうなっても、 健康に豊かな人生を送れるようにするための研究施設を目標としている」 と話した。