海南市大野中の画廊ビュッフェファイヴが今月で開廊40周年を迎え、記念の展覧会「ビュッフェ展」が21日まで開かれている。今展には画廊名の由来となったパリ出身の画家、ベルナール・ビュッフェ(1928~99)の作品が集められ、画廊の堀内俊男さん(79)は「久しぶりに草創期からの傑作を集めました。心より感謝を込めてお待ちしております」と来廊を呼び掛けている。
同画廊は昭和49年9月のオープン以来、ビュッフェの作品や、県にゆかりある数々の作家を発掘し、紹介してきた。
ビュッフェは第2次世界大戦後、具象絵画で一世を風靡(ふうび)し、弱冠20歳で画家の登竜門・クリティック賞を獲得。風景画、静止画などモチーフにとらわれない作品は多くの人に受け入れられ、人気を博した。
今展ではビュッフェの線の特徴がよく表れているとされる、50~70年代の作品約30点が集結。ビュッフェのドライポイント(銅版画)のほとんどはモノクロとして世に出回るが、同画廊には、フランスの港が描かれた「サントロペ、港」(1978年)、「ラ・マールの渚」(1966年)の2つのカラードライポイントが展示されている。また、当時のリトグラフ(石版画)としては最大級の、対となっている希少な作品「カルメン」「エスカミロ」(1967年、縦約100㌢×横約65㌢)も並べられている。
父の俊男さんから、ビュッフェ展を引き継ぎ企画している、同画廊代表取締役の俊延さん(48)は「時代の移ろいとともに、ビュッフェを知る人も少なくなってきました。多くの方に覚えてもらえたら。今後も地方で展覧会をする意味を踏まえ、地元の作家たちを発信していけたら」と話している。
午前10時から午後6時(最終日は5時)。問い合わせは同画廊(℡073・482・1994)。