「大好きな音楽の世界で生きていきたい」と、幼い頃からの夢を追い続け、作詞家として活躍する和歌山市出身の木村友威(ゆい)さん(30)。2年前にKARAのアルバム収録曲「ロックオン」で作詞家としてデビューを果たし、先月20日発売のタッキー&翼のCD、今月3日発売のSMAPのオリジナルアルバムで、立て続けに楽曲を手掛けている。木村さんは「出会いやつながりに感謝です」と笑顔で話している。
17歳でエイベックス・アーティスト・アカデミー1期生として、和歌山から東京までレッスンに通った。ダンスや歌の指導を受け、19歳で東京へ。小さな音楽事務所に所属し、渋谷のライブハウスや六本木のバーで歌う日々を送る。
22歳で一度は和歌山に戻ったが、夢が諦めきれずに27歳で再び上京。参加したコンペで、曲に詞をつけるのは初めての挑戦だったが、採用され、夢への切符をつかんだ。
タッキー&翼のCD「ダキナツ」に収録された「キミシダイ」は、肉食系男子が女子を射止めるという曲。作詞は、耳にしたメロディーラインから、イメージに合った言葉を紡いでいく作業。「もともと、感動を言葉にするのが好きだった」という木村さんは、相手の要望に、自分らしさも加えて仕上げる。
SMAPのアルバム「Mr.S」収録の「無我夢中なLIFE」は、曲に関する要望も特になかったため、木村さんの思いをストレートに注いだ曲という。求めれば世界は動き出す、自分に限界をつくるのでなく、理想や夢をイメージして、1度きりの人生を前向きに生きようというメッセージを込めた。
「ひとことで言うと『がむしゃら感』。私の気持ちを全て詰め込んだ曲で、みんなに聴いてほしい自信作」と胸を張る。
「小さい頃から、母親から感謝の気持ちが何より大切だと教えられてきたけど、ピンとこなかった。でもいま私がここに生きているのは、いろんな人との出会いのおかげだとストレートに思える。その気持ちを忘れたくない」
音楽やファッションが大好き。今後は自分がスポットライトを浴びる側に、という思いもあり「いつかは自分の作った曲で自分の音楽を表現したい」とにっこり。その夢が実現する日まで、がむしゃらに走り続ける。