台風11号(ハーロン)は10日明け方、和歌山県に最接近し、各地に猛烈な雨や突風などによる爪痕を残した。近畿を北上した台風は午後7時現在、日本海に抜けたが、大雨で水を吸った土地では引き続き土砂災害などに警戒が必要だ。
県の被害状況のまとめ(10日午後4時半現在)によると、人的被害は田辺市で男性(65)が突風により転倒し、右太ももを骨折の疑い。和歌山市の加太海水浴場ではサーファー1人が流され、行方不明になっている。
崖崩れや土砂崩れは海南市、串本町、御坊市、高野町、日高町、由良町、かつらぎ町、古座川町、有田市で発生。いずれも人的被害はなかった。
その他、田辺市では宅地の石垣が崩壊し、紀の川市桃山町では柘榴(ざくろ)川ののり面が一部崩落。同町の調月南部墓地ではのり面の崩落により消防詰め所の窓ガラスが割れた。また、串本町で漁船など8隻が損傷したり、湯浅町で横6㍍の看板が落下するなどした。
和歌山市島橋北ノ丁の公園(通称・三角公園)では、強風の影響で約10㍍の木が倒れ、公園の約半分をふさいだ。
各地の道路では越波や強風、土砂崩れによる通行止めが発生。鉄道の運転見合わせやフェリーの欠航など、公共交通機関もダイヤが乱れた。