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『行人』を読む 16日に漱石シンポ

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 自筆の手紙が和歌山市で見つかり、文豪・夏目漱石が再び脚光を浴びるなか、和歌山漱石の会(恩田雅和主宰)は16日、同市西高松の県立図書館でシンポジウム「百年目の『行人(こうじん)』を読む」を開く。会員の梶川哲司さん(62)は「出版から100年、晩年の宗教的な境地に至るきっかけが垣間見える『行人』を読み解き、漱石記念年を盛り上げましょう」と呼び掛けている。

 平成28年の漱石没後100年、29年の生誕150年を盛り上げようと発足した「夏目漱石・記念年実行委員会」のメンバーらを全国から迎えて開催する。

 『行人』は漱石の後期3部作の一つで、大正3年に初版された。作品の前半部は和歌浦が舞台となっていることで知られ、細かな心理描写などから、研究者の間では、その後の代表作『こころ』につながる作品と位置づけられている。

 シンポジウムでは、東京新宿区や熊本県文化企画課の担当者が記念年に向けた活動をPR。和歌山漱石の会会員からは、梶川さんが漱石と和歌浦のつながりを語り、上野壽子さん、細尾茂夫さんが報告を行い、恩田主宰が「病の女たち」を演題に話す。

 前日の15日午後2時からは、和歌の浦アート・キューブで実行委員会の代表者らが集い、各地域の計画を話し合う委員会を開催。和歌浦や市内を散策し、漱石の足跡をたどりながら交流を深める。

 シンポジウムは午後1時半から。無料。申し込み不要。問い合わせは梶川さん(℡080・1490・9050)。


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